アイロンは衣類を清潔で美しく保つための身近な家電のひとつですが、長年使っているうちに焦げ付きやコードの断線などのトラブルが生じることがあります。また、スチーム機能の強化やコードレス化など、新機種への買い替えによって、古いアイロンを手放す場面もあるでしょう。そんなときに悩むのが「どう処分すればいいのか」という点です。
アイロンは電気製品であるため、一般ごみとして捨てるのが難しい場合があり、自治体のルールに従う必要があります。さらに、鉄やプラスチックなどの素材が含まれていることから、小型家電としてリサイクル対象になることもあります。一方で、比較的新しいモデルや状態が良好な場合は、リサイクルショップやフリマアプリで再利用されるケースもあり、捨てずに活かす方法も検討できます。
本記事では、そんなアイロンの処分について、「自治体での処分方法」「リユースやリサイクルの方法」「費用の目安」「処分時の注意点」など、実際の生活に寄り添った形で分かりやすくご紹介していきます。
アイロンを処分するタイミング
故障や不具合が出たときは処分のサイン
アイロンを処分するもっとも多いきっかけのひとつが「故障やトラブル」です。具体的には、電源が入らなくなったり、プレートが十分に熱くならなかったり、スチーム機能がうまく作動しないといった症状が見られます。また、使用中に焦げ臭いにおいや異音が発生する場合も、内部の回路や配線に問題がある可能性があり、無理に使い続けるのは危険です。特に古い製品では、温度制御や電源の安全装置が現在の基準より甘いこともあり、思わぬ事故につながるリスクも。
こうした不具合が見つかったら、修理費用と買い替え費用を比較し、安全を優先して処分を検討するのが賢明です。小型家電であるアイロンは、修理よりも新しい製品に買い替えたほうが安く済む場合も多く、古くなった製品を見極めて、早めに処分する判断が重要です。
最新モデルへの買い替えで処分するケース
次に多いのが、「性能の陳腐化」を理由に処分を考えるケースです。たとえば、古いアイロンを使っていて、スチームの勢いが弱くなった、アイロン本体が重くて取り回しづらい、といった使い勝手に不満を感じることはないでしょうか。最近では軽量化されたモデルやコードレスのアイロン、スチーム量を細かく調整できる高機能モデルなど、さまざまな進化を遂げた製品が登場しています。
こうした利便性の高い新製品が発売されると、古いアイロンが手元にあっても自然と使用頻度が減り、やがて処分を考えるきっかけになるのです。また、デザイン性の高いものや収納しやすい形状のアイロンが人気を集めており、見た目や保管面を重視して買い替えを決める人も増えています。今のライフスタイルに合ったアイロンを選ぶことで、毎日の家事がより快適になるでしょう。
引っ越しや片付けのタイミングで見直しを
また、生活環境の変化もアイロン処分のタイミングとしてよく挙げられます。特に「引っ越し」や「家の片付け」の際には、持ち物を一つ一つ見直す機会が訪れます。アイロンは収納場所を取る家電のひとつであり、普段あまり使わない人にとっては「なくても困らないもの」として処分候補になることも。転居先にクリーニング設備が整っていたり、衣類スチーマーで代用できたりするケースでは、従来型のアイロンが不要になるのも自然な流れです。
また、実家の整理や断捨離を行う中で、長年使っていないアイロンが出てきた場合も処分の好機です。「使っていないけれど、なんとなく取ってある」状態のままではスペースももったいないので、思い切って処分してみるのも良い選択です。今の自分の暮らしに本当に必要な家電かどうか、一度見直してみることをおすすめします。
アイロンの種類と処分方法の違い
ドライアイロン
ドライアイロンは、もっとも基本的な構造を持つアイロンです。水や蒸気を使用せず、電気の熱だけで衣類のシワを伸ばすシンプルな仕組みで、多くの家庭で長年愛用されてきました。故障しにくく、価格も比較的安価なため、アイロン初心者にも扱いやすいのが特徴です。ただし、綿や麻のように頑固なシワがつきやすい素材には、スチームアイロンと比べると少々力不足と感じることもあります。
処分する際には、小型家電として分類されることが多く、多くの自治体で「不燃ごみ」や「小型家電回収ボックス」で回収が可能です。ただし、一部地域ではサイズや重量によって粗大ごみに分類されることもあるため、念のため自治体のごみ分別表や回収ルールを確認しておくと安心です。金属製のプレートや電気コードなどのパーツが多いため、分別の際の注意も必要です。
スチームアイロン
現在、もっとも多くの家庭で使われているのがスチームアイロンです。水をタンクに入れ、加熱することで蒸気を発生させ、その蒸気の力で衣類のシワをやさしく伸ばします。ドライアイロンと比べて機能性が高く、繊細な素材にも対応できるため、Yシャツやブラウスなどに最適です。タンク容量やスチーム量、アイロンの重さなど、メーカーや機種ごとに性能が異なるため、買い替えや処分のタイミングで「より高性能なものを選びたい」と考える人も少なくありません。
処分時は、ドライアイロン同様に「不燃ごみ」「小型家電」として出すことが可能な自治体が多いですが、大型モデルやコードリール付きの機種などは粗大ごみになるケースもあります。スチーム機能付きは内部に水が残っていることもあるため、処分前には必ずタンクの水を抜き、乾燥させてから出すようにしましょう。
コードレスアイロン
近年人気が高まっているのが、コードレスアイロンです。アイロン本体にコードがないため、取り回しが非常に良く、アイロンがけのストレスを軽減してくれる利便性の高さが特徴です。充電式で、充電スタンドに置いて温めながら使用するタイプが主流で、コードが邪魔にならず、細かい部分までアイロンをかけやすいというメリットがあります。引っ越しや家事の効率化に合わせてコードレスアイロンを導入し、古い有線タイプを処分するというケースも多くなっています。
処分の際には、ほかのアイロンと同様に「不燃ごみ」または「小型家電」に分類されることが一般的です。ただし、機種によっては本体が大きかったり、充電スタンドが別部品として扱われる場合もあるため、分別や出し方に注意が必要です。内蔵バッテリーを使用しているタイプもあり、電池類の処理方法を自治体に確認してから処分するようにしましょう。
処分費用の目安と注意点
自治体での処分は費用が安くて安心
アイロンの処分において、もっとも一般的で費用を抑えられる方法が自治体のごみ回収です。特に「不燃ごみ」や「小型家電」として分類される地域では、回収が無料となっていることが多く、最小限の手間で処分が可能です。小型家電リサイクル法に基づき、専用の回収ボックスを設置している自治体もあり、スーパーや公共施設に設置されていることが多いため、身近な場所で簡単に処分できます。
ただし、回収ボックスに入れられるサイズには制限があるため、大型のスチームアイロンやコードレスアイロンは対象外になることも。粗大ごみに分類される場合は、収集手数料として300〜800円程度が必要となります。手数料の支払いには、指定の粗大ごみ処理券を購入し、品目名と収集日を記入してアイロンに貼り付ける必要があります。ごみ出しのルールや収集日程も自治体ごとに異なるため、処分前に必ず公式サイトやごみ分別ハンドブックを確認するようにしましょう。
家電量販店の回収サービスも選択肢の一つ
家電量販店によっては、不要になった家電製品を回収してくれるサービスを提供しているところもあります。特に、アイロンのような小型家電は、家電リサイクル法の対象外のため、店舗独自の取り組みとして無料で回収してくれるケースもあります。たとえば、買い替え時に古いアイロンを引き取ってもらえる場合や、持ち込みで回収してくれるサービスなどがあります。
一方で、すべての店舗が無料とは限らず、500〜1,000円ほどの回収手数料が発生することもありますので、事前の問い合わせが重要です。また、回収を実施していない店舗もあるため、対応の有無や費用の詳細は公式サイトや店舗窓口で確認しておきましょう。持ち込む際は、水タンクの中に水が残っていないこと、電源コードがきちんと束ねられていることなど、安全面に配慮する必要があります。買い替えのタイミングで下取り回収を活用すれば、処分と購入が一度に済むので効率的です。
不用品回収業者に依頼する場合の注意点
急ぎでアイロンを処分したい、他の家電や大型家具と一緒にまとめて片付けたいという場合には、不用品回収業者に依頼する方法もあります。この方法は手間がかからず、自宅まで引き取りに来てくれるため非常に便利です。ただし、費用は自治体の回収に比べて高く、相場としては1,000円〜5,000円程度と幅があります。回収する品目数や出張エリア、作業内容によって金額が変動するため、事前の見積もりは必ず取りましょう。
また、業者選びの際には「安いから」という理由だけで安易に決めてしまうと、違法業者による不法投棄や、高額請求などのトラブルに巻き込まれるリスクもあります。信頼できる業者を見極めるためには、「一般廃棄物収集運搬業許可」または「古物商許可」を保有しているかどうかを確認し、許可番号の明示がある業者を選ぶことが大切です。口コミや評判をチェックすることも、信頼性を見極めるポイントの一つとなります。
アイロンの処分方法５選
自治体のごみ収集に出す
アイロンを最も手軽に処分する方法が、自治体のごみ収集を利用する方法です。多くの自治体では、ドライアイロンや小型のスチームアイロンなど、比較的サイズの小さな製品を「不燃ごみ」あるいは「小型家電」として回収しています。この場合、特別な手続きは不要で、決められた収集日に指定の場所に出すだけで処分が完了します。
一方、スチームアイロンでもサイズが大きいものや、アイロン台と一体型になっている製品の場合は、「粗大ごみ」として扱われる可能性があります。粗大ごみとして処分するには、自治体に事前申し込みを行い、粗大ごみ処理券（300～800円程度）を購入して本体に貼りつける必要があります。ごみの分別ルールや収集日、回収方法は自治体ごとに異なるため、処分前に必ず自治体のホームページやごみ収集ガイドなどで詳細を確認しておきましょう。無料で処分できる場合も多く、コストを抑えたい方には最適な方法といえます。
家電量販店の回収サービスを利用する
家電量販店では、小型家電リサイクル法に基づいて、使わなくなったアイロンなどの小型家電を回収してくれるサービスを実施している店舗があります。とくに新しいアイロンを購入する際には、古いアイロンを無料または有料で引き取ってくれる「下取りサービス」や「リサイクル回収」が利用できる場合があります。下取りの場合は、回収と同時に新製品の購入が条件となることが多いため、買い替えを検討している人には便利で効率的な選択肢です。
料金については、店舗によって異なり、無料で対応してくれるところもあれば、500～1,000円程度の手数料が必要な場合もあります。サービス内容は事前に公式サイトや店頭で確認し、対応可能なアイロンの種類（コード付き・コードレスなど）も把握しておくと安心です。持ち込みの際は、水タンクの中身を完全に抜き取り、コードをまとめておくなど、安全な状態にしておくことが求められます。
リサイクルショップや買取専門店を利用する
アイロンがまだ使用可能で、比較的新しいモデルであれば、リサイクルショップや買取専門店での買取を検討する価値があります。特に高機能なスチームアイロン、人気メーカー製（パナソニック、ティファールなど）の製品、状態の良いものなどは、中古市場で需要があるため、一定の価格で買い取ってもらえることがあります。査定額は製品の年式や使用状況、付属品の有無、見た目の美しさなどによって変動します。あらかじめ掃除しておく、説明書や箱などを揃えておくことで、買取価格がアップすることも。
店頭に直接持ち込む方法のほか、宅配買取や出張買取に対応している店舗もありますので、ライフスタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。ただし、古いモデルや動作に不具合がある場合は、買取を断られるケースもあるため注意が必要です。処分と収益化を同時に実現できる方法として、状態の良いアイロンをお持ちの方にはおすすめです。
フリマアプリやオークションに出品する
メルカリ、ラクマ、ヤフオクといったフリマアプリやオークションサイトを活用すれば、アイロンを自分で販売することも可能です。これは、リサイクルショップに持ち込むよりも高値で売れる可能性があるのが大きなメリットです。特に人気メーカー製や未使用に近いアイロンは、高いニーズがあります。出品の際には、商品の状態や年式、動作確認の有無を丁寧に記載し、写真を複数枚添えることで購入者の信頼を得やすくなります。
発送前には水タンクを空にし、コードをまとめ、丁寧に梱包することが求められます。また、フリマアプリの場合は売上金から販売手数料（メルカリなら10%程度）が差し引かれることや、送料がかかることも考慮する必要があります。出品や発送、購入者とのメッセージ対応など手間はありますが、しっかり対応できる人には費用面でもお得な処分方法です。
不用品回収業者に依頼する
「すぐに処分したい」「他の不用品もまとめて片付けたい」といった場合には、不用品回収業者に依頼するのが効率的です。自宅まで取りに来てくれるため、重たいアイロンを運ぶ手間が不要で、高齢者や忙しい方にも適した方法です。回収費用は業者によって異なりますが、アイロン単体なら1,000円〜5,000円程度が相場です。
ただし、他の家電や家具とまとめて依頼することで「積み放題プラン」などを活用でき、結果的に費用が抑えられることもあります。利用時には必ず複数社から見積もりを取り、料金体系が明確な業者を選ぶことが大切です。悪質な業者を避けるためには、「一般廃棄物収集運搬業」や「古物商許可」を取得しているか確認し、口コミや評判もチェックすると安心です。また、水抜きやコードまとめなど、安全な状態で引き渡すことも忘れないようにしましょう。
アイロンの処分は不用品回収業者の利用がおすすめ
今回はアイロンの処分方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか？
アイロンを処分するにあたり、他にも不要になった品を大量に処分したい場合は、不用品回収業者を利用することを検討してみてください。不用品回収業者は、大型小型問わず他の不用品をまとめて引き取ってくれるため、処分方法を考えずにまとめて処分することが可能です。
優良不用品回収業者の選び方は？
不用品回収業者を選ぶ際には、以下のポイントをチェックしておくとスムーズに処分が進みます。
- 対応エリアの確認
希望する地域に対応しているかを確認しましょう。全国対応の業者や地域密着型の業者があります。 - 料金の透明性
事前に見積もりを取って料金体系を確認し、追加料金が発生しないか確認しておくことが重要です。 - 口コミや評判
インターネット上のレビューや口コミを参考にし、信頼できる業者を選びましょう。実績や評判が良い業者は安心して依頼できます。 - 対応スピード
急いで処分したい場合は、即日対応してくれる業者を選ぶと良いでしょう。対応の速さは重要なポイントです。 - 保険の有無
万が一の事故やトラブルに備えて、損害補償保険に加入している業者を選ぶと安心です。
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