書類や雑がみ、段ボールなどの紙製品の処分方法、正しく理解していますか?「紙は燃えるごみ」と思っている方も多いでしょう。雑誌や新聞は別として、紙の分別にあまり意識を向けたことがない方もいるかもしれません。しかし、小さなメモ用紙やトイレットペーパーの芯でさえ、リサイクルすることで新しい資源に生まれ変わり、森林伐採の抑制と環境保護に貢献できます。
ただし、すべての紙がリサイクルできるわけではありません。リサイクルできない禁忌品も存在し、これらが混ざってしまうとリサイクルの妨げになるため注意が必要です。
さらに、事業所などで大量の書類や紙ごみが発生する場合、機密書類を含むことが多く、安全かつ確実に処分することが求められます。しかし、大量の書類をシュレッダーにかけたり、ホッチキスやクリップを一つずつ取り除いたりするのは非常に手間のかかる作業です。
今回は、紙ごみの正しい分別方法や処分方法、そして事業所などで大量の書類を簡単に処分する方法について詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
リサイクル可能な紙の種類
リサイクル可能な紙は、市区町村による資源収集や地域の集団収集を通じて古紙として回収されます。家庭から出る古紙は主に以下の5種類に分類されます。
- 新聞・チラシ
- 雑誌・書籍
- 段ボール
- 紙パック・飲料用パック(牛乳パックなど)
- 雑紙
これらの紙製品を適切に分別し、資源回収に協力することで、リサイクルの効率化と環境保護に貢献できます。
雑誌とは?
雑紙(ざつがみ)とは、古紙として回収可能な紙、つまり資源化できる紙を指します。多くの方が「新聞・雑誌・段ボール・紙パック」を分別して資源ごみとして出していますが、それ以外の細かい紙も資源化できることをご存知でしょうか?
現在、可燃ごみとして捨てられている紙類のうち、約45%が実は資源化可能な雑紙です。これらの雑紙を一人ひとりが資源ごみとして出すことで、可燃ごみの大幅な削減に繋がります。
雑紙として出せるものの一例は以下の通りです。
- カタログ
- メモ用紙
- 紙箱
- 封筒
- チラシ
- 名刺
- OA用紙(コピー用紙)
- ノート
- 包装紙
- ポスター
- はがき
- ワイシャツの台紙
- カレンダー
- 紙製ファイル
- 紙袋
- 紙芯
- パンフレット
- 値札
回収された古紙は何にリサイクルされるのか?
紙がリサイクルできることはご存知かと思いますが、具体的に何に生まれ変わるかは知っていますか?ここでは、主な5種類の古紙がリサイクル後にどのような製品になるのかをご紹介します。
段ボール
段ボールは、地域の回収だけでなく、ホームセンターや地域に設置された回収ボックスでも捨てることができます。
回収された段ボールは、新たな段ボールや紙筒として生まれ変わります。日本では段ボールの回収率が95%と非常に高く、ほとんどがリサイクルされています。ただし、臭いが付いたものやプラスチック製の緩衝材、布などが貼り付けられたもの、ワックス付きの段ボールはリサイクルできません。
これらは古紙回収ではなく、自治体のごみルールに従って処分しましょう。
雑誌・書籍
雑誌や書籍は、再び雑誌や書籍としてリサイクルされることもありますが、それだけでなく、段ボール箱、封筒、絵本、靴箱、洗剤の箱など様々な製品にも生まれ変わります。
これらは新聞紙と同様に地域の古紙回収に出すことができます。その際、ホチキスの針は問題ありませんが、付録のCDやビニール、シールなどは取り除いてから出す必要があります。
紙パック・飲料用途パック(牛乳パックなど)
内側が白い飲料用紙パックは、リサイクルされてトイレットペーパーやティッシュペーパーなどに生まれ変わります。対象となる紙パックには「紙パックマーク」が付いており、主に牛乳やジュースの容器として使われています。これらは地域の資源回収やスーパー、役所などの回収拠点で捨てることができます。ただし、内側に銀色のアルミ箔が使われている紙パックは「紙パックマーク」の対象外となるため、ご注意ください。
引用:経済産業省
雑誌
雑紙は主に段ボールの材料となる「古紙パルプ」に生まれ変わります。多くの雑紙は段ボールになりますが、段ボールにできないものは固形燃料として利用されることもあります。
ただし、他の古紙と同様に、雑紙も汚れや臭いが付着しているものはリサイクルできません。また、バインダーやファイルなどの異物が混ざらないように注意する必要があります。
禁忌品(リサイクルできない紙製品)について
せっかく分別しても、資源化できない紙が混ざっているとリサイクルに支障をきたしてしまいます。ここでは、リサイクルができない禁忌品について詳しくご紹介します。
以下のリサイクル不可能な紙は、自治体のルールに従って可燃ごみとして処分してください。
- 臭いや汚れが付着したもの
- 粘着性のあるもの
- 水に溶けないもの
- 特殊な紙
- その他リサイクルに適さないもの
臭いや汚れが付着したもの
臭や汚れは再生品の品質が落ちてしまうため、リサイクルができません。
- 食品や油がついたもの(キッチンぺーパー、ピザやケーキの箱、ハンバーガーの包み紙など)
- 油絵具やクレヨンを使用した画用紙
- 洗剤や線香の箱、石けんの箱や包み紙など
粘着性のあるもの
のりなどの粘着性がが残っていると、機械に付着するためリサイクルができません。
- シール・シール台紙・粘着メモ(付せんなど)
- 圧着ハガキなど
水に溶けないもの
紙をリサイクルする際は水に溶かしてから新たな紙へと加工します。
そのため、水に溶けないものはリサイクルができません。
- 写真(写真集は雑誌として捨てる)
- パーチメント紙(クッキングシート、中華まん・ケーキ類の底紙、薬包紙など)
- 固く糊付けされた紙(ラップの芯など)
- 防水加工された紙(カップラーメンやヨーグルトの容器、紙コップなど)
- 合成紙(ケーキ・キャラメルなどの包装紙、クッキングシートなど)
- アルミ・金紙・銀紙・ビニールでコーティングされた紙(ガムやチョコの包み紙)
特殊な紙
特殊なインクが使われていると、取り除くことができないため、再生品にインクが残ってしまいます。
そのため、特殊なインクが使われている紙はリサイクルができません。
- カーボン紙・ノーカーボン紙(宅急便の送り状など)
- レシート、FAXロール紙
- カバンや靴の詰め物(使用済みの昇華転写紙が使用されていることがあり、見分けが難しいため可燃ごみへ)
- 昇華転写紙(アイロンプリント紙)
その他、リサイクルに適さないもの
紙のように見えても、実際に使用されている素材が異なるものはリサイクルできません。
また、個人情報が含まれているものや機密文書は、リサイクル過程で情報漏えいのリスクがあるため、燃えるごみとして処分するようにしましょう。
- 吸水性ポリマーなど紙ではない成分を含むもの(おむつ、ペット用トイレシートなど)
- 和紙全般(習字用半紙など)
- 紙製の卵パック
- 不織布(マスク、簡易お手拭、フローリングワイパーなど)
- 長期保存で日焼け・変色した紙
- 果物類のクッション材
- 点字用紙(感熱発泡タイプのもの)
- 建材に使用されるもの(壁紙など)
古紙の処分方法
家庭内で発生する古紙の捨て方について、詳しく解説していきます。
新聞紙・雑誌・書籍・段ボールの捨て方
リサイクル可能な古紙は「資源ごみ」として、ほとんどの自治体で回収・処分が可能です。
新聞や雑誌、書籍、段ボールなどは、自治体の収集日に出すだけでなく、公共施設に設置された回収ボックスや古紙回収センターを利用すれば、いつでも手軽に捨てることができます。
- 新聞、雑誌などしっかり分別して、紐でしばって出す
- 資源ごみ収集日、または集団資源回収日、古紙回収ボックスなどに出す
飲料用途パック(紙パック)の捨て方
リサイクルの部分でも触れましたが、「紙パックマーク」が付いているものは紙パックとしてまとめて出しましょう。回収方法は自治体によって異なりますが、多くの地域では集団資源回収やスーパー、役所に設置された回収ボックスを利用できます。お住まいの地域のルールブックなどで確認してみてください。
対象となるのは、「紙パックマーク」が付いた飲料用の紙パックです。内側にアルミ箔が付いたものなど、「紙パックマーク」が付いていないものは紙製容器包装として処分する必要があります。
- 中をさっとゆすいで、開いて乾かす
- 紐で束ねるか、ごみ袋へ入れて資源ごみ回収日に出す
- スーパー・役所などの回収ボックスへ直接捨てる
紙製容器包装の捨て方
紙パック以外の紙製容器には「紙マーク」が付いており、ティッシュペーパーの箱、お菓子の空箱、紙袋など様々な紙製品があります。これらは紙パックとは異なり、「雑紙」として処分する必要があるため、注意が必要です。
回収方法については雑紙のセクションで詳しくご紹介します。
雑紙の捨て方
多くの自治体では、雑紙は他の資源ごみと分けて、雑紙専用の回収日に出します。
お菓子の空き箱や紙袋などの大きなものはまとめて紐で縛り、細かい紙はごみ袋に入れて捨てるようにしましょう。
地域によっては、集団古紙回収日に雑紙も一緒に回収する場合があるため、自治体のごみ出しルールを確認しておくことが大切です。
- 紙製容器包装・雑紙は資源ごみ収集日、または集団資源回収日などに出す
- 袋にまとめて入れるか、大きなものはまとめて紐で縛る
シュレッダーで裁断した紙の捨て方は燃えるごみが多い
機密文書や個人情報が記載された紙を裁断するために、家庭でシュレッダーを使用する方が増えていますが、シュレッダーで裁断した紙はリサイクルできるのでしょうか?
結論から言うと、シュレッダーで裁断した紙はリサイクルできる地域もありますが、多くの地域では可燃ごみとして処分されます。これは、細かく裁断された紙の繊維が短くなり、再生が難しくなるためです。要するに、新しい製品の原料として使うのが困難ということです。
また、シュレッダーした紙には圧着ハガキなどリサイクル不可能な紙が混ざっていることが多く、それを見分けるのが難しいため、可燃ごみとして処分する地域もあります。
一方で、会社などで出るシュレッダーごみは主にOA用紙(コピー用紙)であるため、禁忌品が混ざっていなければ資源ごみとしてリサイクルする自治体もあります。
例えば、横浜市では新聞紙や雑誌などの古紙回収と同様に、シュレッダーごみも資源ごみとして出すことができます。具体的な出し方は以下の通りです。
- 紙袋または半透明の袋にシュレッダーごみを入れる
- 事業系ごみの収集を契約している業者(廃棄物収集運搬許可業者)へ収集を依頼する
- または、古紙回収業者へ回収を依頼するか持ち込む
企業や事業所から出るごみは「事業系ごみ」として扱われるため、家庭ごみとして市の収集に出すことはできません。
ただし、自治体によっては、家庭ごみと同程度の量であれば資源ごみとして収集してくれる場合もありますので、詳細はお住まいの地域のルールを確認してください。
雑誌や本は売却も可能
これまで古紙の処分方法についてご紹介してきましたが、雑誌や本は捨てるだけでなく、売却して処分する方法もあります。
古本屋へ売却する
汚れや破れのない本であれば、古本屋などで買い取ってもらうことができます。特に、新書や希少価値の高い本、巻数が揃っているマンガなどは高値がつきやすいです。場合によっては雑誌の買取も可能です。
最近では、古本屋に直接持ち込む必要がなく、自宅から段ボールに入れて送る「宅配サービス」を提供する買取店も増えています。これにより、大量の本を売りたいときや忙しい方でも手軽に処分できます。本は量が多いと重くて持ち運びが大変なため、このようなサービスを利用するのが便利です。
ただし、宅配買取の場合、最低受け入れ冊数が設定されていることがあります。規定の冊数に満たない場合は送料がかかることもあるため、事前にサービス内容を確認しておきましょう。
また、値段がつかない本もあり、買取店によっては取り扱いジャンルが決まっていることもあります。そのような本は、無料で引き取ってもらえる場合もあれば、返却されることもありますので、こちらも併せて確認してください。
メルカリなどのネットオークションで売る
時間に余裕がある方には、ネットフリマやネットオークションを利用して本を売却する方法もあります。これらのネット販売のメリットは、「自分で価格を設定できる」という点です。古本屋での買取価格は安くなりがちですが、自分で納得のいく価格で売ることができるので、満足感も大きいでしょう。
ただし、販売手数料が約10%かかり、出品や発送には手間と費用が発生します。発送時には自分で梱包材を用意し、場合によっては送料も負担しなければなりません。また、必ずしも売れる保証はないため、売れなかった場合には本棚が片付かないこともあります。
買取店を利用するか、ネットフリマやオークションを利用するかは、自分の状況に合わせて上手に選択しましょう。
大量の書類を簡単に処分するには?
会社の重要書類やマニュアル、規定集など、大量の紙を処分する際、可燃ごみやリサイクルに出しにくいこともあります。そんな時には、有料の専門業者に依頼する方法がおすすめです。
ヤマト運輸や日本郵便では、機密書類の溶解サービスを有料で提供しており、日本郵便では個人でも申し込むことができます(ヤマト運輸では法人契約が必要です)。在宅勤務の方や個人事業主の方でも、手間なく安心して書類を処分できるため、このサービスの需要が増えています。
この溶解サービスのメリットは、クリップやホッチキス、紙ファイルや紐とじなどを取り外さずにまとめて処分できる点です。回収された書類は溶解後、リサイクルされるため、可燃ごみとして捨てるよりも環境に優しい選択と言えます。
処分の手順は簡単で、インターネット上で申し込み、指定された段ボール箱に詰めて送るだけです。段ボール箱の大きさに応じて料金が設定されています。
また、ヤマト運輸や日本郵便以外にも、機密書類の溶解サービスを提供している業者があります。地域限定のサービスや引き取りサービスなど、さまざまなオプションがありますので、インターネットで「機密文書 溶解サービス」と検索して、自分に合った業者を見つけましょう。
古紙の処分には不用品回収業者の利用がおすすめ
段ボールや雑誌、大量の書類など、さまざまな古紙を一度に簡単に処分できる方法として、不用品回収業者への依頼があります。
紙ごみは大量にあると非常に重くなりますが、不用品回収業者なら運び出しから対応してくれ、さらに夜間や休日にも対応可能なので、手軽に処分することができます。
依頼前に資格(廃棄物収集運搬業許可)の有無を確認する
不用品回収業者は、古紙だけでなく多くの不用品を回収してくれます。
企業や事業所から出る書類は「事業系ごみ」として自治体の回収を利用できない場合がありますが、不用品回収業者なら対応可能です。
また、オフィス家具や備品、電子機器など、オフィスの不用品を一度に処分できるため、引っ越しや改装時にも非常に便利です。
需要の高まりに伴い、多くの不用品回収業者が存在しますが、信頼性のある業者を選ぶためには、廃棄物収集運搬業許可を持っているかを確認することが重要です。許可の有無は、不用品回収業者のホームページや自治体のホームページで確認できます。
不用品回収業者を利用する前には見積もりをとる
不用品回収業者のサービスは有料ですが、ネットや電話、LINEなどから気軽に問い合わせが可能です。
複数の業者に見積もりを依頼し、対応の丁寧さや、見積もり後のキャンセルが可能かどうかも考慮して、信頼できる業者を選びましょう。
見積もりを取り、費用やサービス内容を確認した上で、自分の希望に合った業者を選ぶことが大切です。
注意すべき点として、資格を持たずに営業している業者も存在し、回収した不用品を適切に処分しないことがあります。
また、回収後に高額な処分費用を請求されるトラブルも報告されているため、注意が必要です。信頼できる業者を選ぶために、しっかりと確認しましょう。
古紙の処分方法まとめ
今回は古紙の処分方法についてお伝えしてきました。
処分方法をまとめると
- 資源ごみとして出す(戸別回収や集団回収など)
- 自治体などに設置された古紙回収ボックスを利用する
- 売れる本は買取店やネットで売却する
- 書類の溶解サービス(有料)を利用する
- 不用品回収業者(有料)を利用する
となります。
紙は「可燃ごみ」と思われがちですが、実は細かい紙でもリサイクルが可能です。紙の原料は木材であり、リサイクルすることで新しい製品に生まれ変わり、貴重な森林資源の保護にも繋がります。
ただし、リサイクルの過程で「禁忌品」が混ざってしまうと、リサイクルが妨げられることがあります。リサイクルできるかどうか迷った場合は、「可燃ごみ」として処分するのが無難です。
回収された古紙が正しくリサイクルされるように、少しの心掛けが大切になります。
古紙の処分にお困りなら不用品回収いちばんにおまかせ!
今回は、古紙の処分方法について詳しくご紹介しましたが、いかかでしたでしょうか?
年度の切り替わり時期や、引越しの時には不用品をまとめて回収してもらいたいと考える人も多いと思います。忙しくて時間の取れない方や、一人暮らしなどで手間をかけずに処分したい人などは不用品回収業者を利用してみることをお勧めします。
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