オットマンは、ソファと組み合わせて足を伸ばすための補助家具として使われるほか、蓋を開けて収納スペースにできるタイプなど、実用性とインテリア性を兼ね備えた便利なアイテムです。最近ではデザイン性の高いオットマンも多く、ワンルームなどのコンパクトな空間でも活躍しています。しかし、クッション部分のへたりや布・レザーの汚れが目立ってきたり、部屋の雰囲気と合わなくなったりすると、買い替えや処分を検討するタイミングがやってきます。
とはいえ、「ゴミとして出すには大きすぎる」「何ごみに分類されるのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。特に、自治体によって分別ルールが異なるため、正しく処分しないと回収してもらえないケースもあります。
この記事では、オットマンの種類や素材による違いを踏まえながら、処分のタイミングや注意点、処分方法をわかりやすく解説します。後悔のない形で処分を進めるために、ぜひ参考にしてください。
オットマンとは？特徴や種類について
オットマンとは？
オットマンとは、ソファの前に置いて足を伸ばして休めるための家具で、日本では「フットレスト」や「足置き」と呼ばれることもあります。ただし、オットマンの用途は足を乗せるだけにとどまらず、来客時にはサブの椅子として使われたり、ソファと並べてカウチスタイルにしたりと、幅広く活用されています。最近では内部に収納スペースを備えた「収納付きオットマン」も登場しており、狭い住まいでも重宝されています。
サイズは小型の正方形から、ソファと同じ横幅を持つ大型タイプまであり、使い方に応じて選ぶことができます。背もたれや肘掛けがないため、部屋のどこにでも移動しやすく、使わないときには部屋の隅に置いておくなど、柔軟な使い方ができるのも魅力のひとつです。また、デザイン面でもシンプルで洗練されたものが多く、インテリアの雰囲気を壊さずに馴染むというメリットもあります。オットマンは、見た目のコンパクトさと実用性を兼ね備えた、非常にバランスの良い家具だと言えるでしょう。
素材によって異なるオットマンの構造
オットマンは外見こそシンプルですが、使われている素材は非常に多岐にわたります。もっとも一般的なのはファブリック（布製）や合成皮革（PVCレザー）で、価格帯が比較的安価で手に入るため人気があります。一方、本革のオットマンは高級感があり、経年変化を楽しめるためインテリアにこだわる層から支持されています。内部のクッション材にはウレタンフォームが使用されていることが多く、柔らかさや耐久性は製品ごとに異なります。
また、構造面では「分解できるタイプ」と「一体型タイプ」に分かれることがあり、前者は脚部が取り外せるため、処分や移動の際に便利です。最近ではSDGsの観点から、木製やリサイクル素材を活用したオットマンも増えてきており、環境への配慮が見られるようになっています。
処分を考える際には、素材が何でできているか、構造がどうなっているかを把握することが重要です。なぜなら、自治体によって処分方法が「可燃ごみ」「粗大ごみ」「不燃ごみ」などと細かく分けられているからです。たとえば、内部に金属スプリングが入っている場合は金属扱いになることもあり、通常の家具以上に分別に気をつけなければなりません。
オットマンの種類と特徴別の使い方
オットマンにはいくつかのバリエーションがあり、目的や空間に応じて選ばれています。もっとも一般的なのは「足置きタイプ」で、ソファの前に置いてリラックス姿勢をとるのに適しています。このタイプは軽量で移動がしやすく、部屋の模様替えや掃除の際も扱いやすいのが特徴です。
次に人気があるのが「収納付きタイプ」です。蓋を開けると中にブランケットや雑誌、小物などを収納できるため、限られたスペースを有効に使いたい家庭には最適です。収納タイプのオットマンは構造上やや重たくなりがちですが、キャスターが付いている製品もあり、機能性と利便性を兼ね備えています。
ほかにも「ベンチタイプ」や「ダブルオットマン」など、複数人で使えるように設計された製品もあります。最近では、リモートワーク用のミニデスク付きオットマンなども登場しており、多様化が進んでいます。こうした種類ごとの違いを把握しておくことは、処分時にも役立ちます。たとえば、収納付きオットマンは中身をすべて取り出して空にする必要があるなど、処分前に準備すべきポイントが変わってくるからです。
オットマンを処分するタイミング
表面の汚れやニオイが気になり始めたとき
長年使用しているオットマンは、徐々に表面に汚れやシミが付着していきます。とくに布製のオットマンは、汗や皮脂、飲食物のこぼれなどが内部まで染み込みやすく、時間が経つにつれて落ちにくくなっていきます。見た目が汚れてくると部屋全体の清潔感も損なわれるため、掃除をしても改善されない状態になったら、処分のサインといえるでしょう。
また、ニオイが染みついてしまうと、ファブリック用の消臭スプレーや洗剤を使っても完全に取り除くのが難しくなります。湿気がこもりやすい住宅環境や、ペットと暮らしている家庭では、特にこのような問題が起きやすいため注意が必要です。衛生面を考慮して、クリーニングで解決できない状態なら、思い切って処分するのが安心です。
クッションのへたりや構造の劣化が目立つとき
オットマンの内部にはウレタンなどのクッション材が使われており、長期間の使用によってどうしてもへたってきます。足を乗せる用途で使っていても、頻繁に使用していると弾力性が失われ、座ったときに底つき感を覚えるようになることもあります。このような状態になると、座り心地や使い心地が悪くなり、家具としての役割を果たせなくなります。
また、収納付きタイプのオットマンであれば、開閉部分がスムーズに動かなくなったり、ヒンジ部分が錆びて開け閉めが困難になるケースもあります。さらに、木製や金属製の脚がグラグラと不安定になってきた場合は、転倒の危険があるため非常に危険です。修理して使い続けることも一つの方法ですが、費用や手間を考えると新しいものに買い替えたほうが効率的なケースも多く、処分の判断が必要となります。
引っ越しや模様替えで使わなくなったとき
オットマンは本体こそ小さいものの、部屋の中ではそれなりのスペースを占める家具です。引っ越しや模様替えなどのタイミングで、間取りやインテリアが変わった場合、今まで使っていたオットマンがサイズ的にも雰囲気的にも合わなくなることがあります。特に、新居に持って行く家具を厳選しているときや、引っ越し業者の運搬費用を抑えたいと考えているときには、「あえて処分する」という選択肢も有効です。
模様替えにおいても、部屋のテーマやカラーを統一したいときには、旧式のオットマンが浮いてしまい、統一感を損なう原因になることもあります。そのような場合には、フリマアプリやリサイクルショップで売却するか、自治体の回収サービスなどを活用して、早めに手放すのが理想的です。不要な家具を抱えたままにしておくと、生活空間が狭くなるだけでなく、ストレスや不便さの原因にもなりかねません。
オットマンの処分前に確認すべき注意点
素材と構造をあらかじめ確認することが重要
オットマンを処分する前に、まず確認しておきたいのがその「素材」と「構造」です。一見すると布張りや合成皮革だけでできているように見えるオットマンでも、内部にはスプリングや金属製フレームが使われていることが少なくありません。
特に収納付きオットマンや分解可能なタイプは、構造が複雑になっている場合があり、可燃ごみではなく「金属ごみ」や「粗大ごみ」として処理する必要があることもあります。自治体によっては、金属部とその他の素材部分を切り離して分別するよう求められることもあるため、捨てる前に中身や脚部の素材をしっかり確認しておくことが大切です。こうした確認を怠ると、ごみの回収日に持って行っても収集してもらえなかったり、不法投棄と見なされる可能性もあるので注意が必要です。
粗大ごみに該当するかどうかを自治体ルールで確認
自治体の多くでは、「一辺が30cm以上ある家具類」は粗大ごみに分類されます。オットマンもその大きさに該当することが多く、家庭ごみとして出すことはできません。粗大ごみとして処分する場合、回収日の予約や粗大ごみ処理券の購入が必要になるため、早めに手続きを行うようにしましょう。地域によってはインターネットや電話で予約できるところもあり、オットマンの種類やサイズを伝えると、適切な処理方法を案内してもらえることもあります。
なお、自治体によっては「有料回収」の対象になる場合があり、料金はサイズや素材によって数百円〜1,000円以上かかることもあります。また、集合住宅の場合は収集場所までの搬出経路も確認しておくことが重要です。エレベーターがない建物では、搬出作業に手間がかかるため、事前に家族や友人に手伝いを頼んでおくと安心です。
搬出時の安全対策とケガ防止の工夫
オットマンは見た目以上に重さがあるものも多く、とくに木製フレームや金属製のパーツが使われているものは、持ち運ぶ際にバランスを崩して転倒したり、手や脚をぶつけたりするリスクがあります。さらに、劣化したオットマンは脚がグラついていたり、布地の裂け目から金属部品が飛び出していたりする場合もあり、非常に危険です。そのため、処分前には安全対策を講じることが必要です。
たとえば、角や壊れかけた部分を毛布やタオルで覆い、ガムテープなどで固定することで、搬出時のケガを防ぐことができます。また、分解可能なタイプであれば、脚や蓋の部分を取り外して運びやすくすることで、安全性と効率が向上します。玄関や通路を傷つけないためにも、敷物を敷いたり、周囲に障害物がないか確認してから搬出を行うよう心がけましょう。
オットマンの処分方法４選
粗大ごみとして自治体に出す方法
オットマンの処分方法としてもっとも一般的で安心なのが、自治体による「粗大ごみ回収サービス」の利用です。多くの自治体では、オットマンのような家具類で一辺が30cmを超えるものを粗大ごみに分類しています。この場合、家庭ごみとしては回収してもらえず、粗大ごみのルールに従って処分する必要があります。申し込みはインターネットや電話で行えることが多く、回収日を指定された上で、必要な金額分の「粗大ごみ処理券（有料シール）」をコンビニや郵便局などで購入し、オットマンに貼り付けて指定場所に出すのが一般的な手順です。
処理費用は地域によって異なりますが、300円～1,000円程度が相場となっており、比較的安価に処分できます。また、オットマンを解体してサイズを小さくすれば、可燃ごみや不燃ごみとして分別して出すことも可能な場合がありますが、解体にはドライバーやのこぎりなどの工具が必要になり、手間と時間がかかるのが難点です。特に中にスプリングや金属フレームがある場合は、安全面にも配慮する必要があります。コストを抑えたい方には有効な手段ですが、無理のない範囲で対応しましょう。
リサイクルショップや中古買取店に売る方法
オットマンがまだ使用可能で、見た目もきれいな状態であれば、リサイクルショップや中古家具の買取業者に売却することも検討できます。特にブランド家具メーカーのオットマンや、同じシリーズのソファとセットで販売されていたものは、単品でも価値があると判断されやすく、高値での買取につながることもあります。たとえばカリモク、フクラ、IDC大塚家具などの高級ブランド製品は中古市場でも需要があり、状態次第では数千円〜1万円以上の価格がつく可能性もあるでしょう。
査定方法は業者によって異なり、店頭持ち込みのほか、自宅まで来てもらう「出張買取」や「宅配買取」などのサービスを提供している店舗もあります。高く売るためには、複数の買取業者に問い合わせをし、査定額を比較するのがポイントです。なお、使用感が強かったり、破損やシミがあると買取不可になることもあります。そのため、査定依頼時には商品の写真や寸法、使用年数などを事前に送っておくとスムーズです。買取不可でも無料引き取りしてくれるケースもあるため、処分費をかけずに手放せる方法としても有効です。
知人や地域のコミュニティに譲る方法
まだ使える状態のオットマンをわざわざ捨ててしまうのはもったいない——そう感じる方には、知人に譲ったり、地域の掲示板やアプリを通じて「引き取り手」を探すという方法があります。ジモティーやFacebookの地域グループ、町内会の掲示板などでは、「不要になった家具を譲ります」といった投稿が日常的に行われており、無料または格安で引き取りたいという人が見つかる可能性があります。特に子育て中の家庭や一人暮らしを始めた人にとって、無料でもらえる家具は重宝されます。
譲る際には、商品の写真やサイズ、状態（傷の有無、使用年数など）を詳しく記載し、引き取り希望者が安心して連絡できるよう配慮しましょう。また、受け渡しの場所や日時、搬出の手順もあらかじめ打ち合わせておくことが大切です。トラブル防止のため、譲渡前には簡単に清掃・消毒を行い、「ノークレーム・ノーリターン」である旨を明記するのもおすすめです。ごみとして処分するのではなく、誰かの役に立つ形で手放すことができれば、環境にもやさしく、気持ちのよい処分方法と言えるでしょう。
不用品回収業者に依頼する方法
粗大ごみの予約や搬出作業が面倒だと感じる場合、手軽にオットマンを処分できるのが「不用品回収業者」の利用です。電話一本で自宅まで引き取りに来てくれるため、手間をかけたくない人や忙しい人、急ぎで処分したいときにはとても便利です。特に引っ越しや模様替えなどで他の家具や家電も一緒に処分したいときは、まとめて引き取ってもらえる点が大きなメリットです。オットマン1点の回収費用はおおよそ1,000円〜3,000円前後が相場ですが、量や地域によっては多少変動することもあります。
ただし、業者選びには注意が必要です。無許可の業者や「無料回収」と称しながら後から高額請求をしてくる悪質なケースもあるため、必ず「一般廃棄物収集運搬業」や「古物商」の許可を持った業者を選ぶようにしましょう。公式サイトや口コミなどで評判を確認し、事前に見積もりを取ることも重要です。見積もりはできれば複数社から取り、料金やサービス内容を比較した上で選ぶと安心です。費用はかかりますが、手間をかけずに安全・迅速に処分できる方法としておすすめです。
オットマンの処分は不用品回収業者の利用がおすすめ
今回はオットマンの処分方法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか？
オットマンを処分するにあたり、他にも不要になった品を大量に処分したい場合は、不用品回収業者を利用することを検討してみてください。不用品回収業者は、大型小型問わず他の不用品をまとめて引き取ってくれるため、処分方法を考えずにまとめて処分することが可能です。
優良不用品回収業者の選び方は？
不用品回収業者を選ぶ際には、以下のポイントをチェックしておくとスムーズに処分が進みます。
- 対応エリアの確認
希望する地域に対応しているかを確認しましょう。全国対応の業者や地域密着型の業者があります。 - 料金の透明性
事前に見積もりを取って料金体系を確認し、追加料金が発生しないか確認しておくことが重要です。 - 口コミや評判
インターネット上のレビューや口コミを参考にし、信頼できる業者を選びましょう。実績や評判が良い業者は安心して依頼できます。 - 対応スピード
急いで処分したい場合は、即日対応してくれる業者を選ぶと良いでしょう。対応の速さは重要なポイントです。 - 保険の有無
万が一の事故やトラブルに備えて、損害補償保険に加入している業者を選ぶと安心です。
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